医師大量退職 大津市民病院理事長に河内氏内定

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医師大量退職 大津市民病院理事長に河内氏内定

地方独立行政法人市立大津市民病院(大津市本宮)で京大医学部の「医局」から派遣されている多数の医師が退職もしくは退職意向を示している問題で、同市の佐藤健司市長は6日、開会した市議会で、空席だった同病院理事長に滋賀医大泌尿器科学講座教授の河内明宏(かわうちあきひろ)氏(63)が内定したと報告した。今秋ごろの就任で調整している。

河内氏は京都府立医大出身。佐藤市長は報告の中で市民病院について「おおむね通常の診療体制を取り戻している」とした上で、河内氏について「県内の医科系大学の教授として地域医療に精通していることから、病院運営の立て直しに手腕を発揮していただけるとともに泌尿器科を始め後任の医師確保にもつながることと期待している」と述べた。

今年2月初めに理事長らのパワーハラスメントを訴えた医師の大量退職問題が表面化して以降、理事長だった北脇城氏(66)が3月31日に辞任。院長だった若林直樹氏(61)=現院長代行=も4月18日付で辞任した。ともにパワハラは否定していたが混乱の責任をとった。後任院長には同日、済生会滋賀県病院(滋賀県栗東市)から日野明彦氏(66)が就任した。理事長は空席で副理事長の若林氏が代理を務めている。

 ■「過去の清算が不可欠」

「滋賀医大の教授を理事長に迎えるということは表面的には中立なようだが、河内明宏氏は京都府立医大出身。当初の思惑通りに進んでいるようにみえる」

今回の理事長人事について、今年度中に大津市民病院を退職する予定の男性医師が感想を漏らした。

京都府立医大出身の若林直樹氏(61)は院長代行として残り、院長の日野明彦氏(66)も同医大出身。結果的に同医大シフトが整う。

今、市民病院は落ち着いているというが、入院患者が従来の半分強で、かなり減少しているという。

「地域のクリニックからの紹介が減っている。前の院長が院長代行として残っていることに不満があるようだ。院長代行からは説明も謝罪もなく、うやむやにしようとしている。問題のある市民病院にだれが紹介状を書くだろうか。前の経営陣の責任を明確にし、過去を清算しないと正常には戻らない」

男性医師は言い切った。

大津市民病院 新理事長・・不可解な就任の経緯