小線源単独療法  大津 麻生

治療を受けるまでの経緯は?

 50歳代に入ってしばらくした頃ホームドクターのすすめでPSAを計ったのですが、いきなり5.9でグレーゾーンでした。本来ならすぐに泌尿器科を受診すべき処ですが、その当時「PSA検査は前立腺癌の治療結果に重大な差をもたらさない」という全米保険協会の調査結果が新聞に掲載されたりしていて、私個人としてもPSA値をあまり重視していませんでした。

その後1年半ほど経って市内の大病院の泌尿器科を受診しCTとMRIの検査を受けましたが、PSAは5.8上昇しておらず担当医の「しばらく様子を見ましょう」という言葉でそのままにしていました。しかしその後PSAはじわじわと上昇を続け2015年8月に10.0に達し、ようやく針生検を受ける決心が付きました。

 2016年3月の針生検の結果2本ヒットのGS 3+3で低リスク前立腺癌との診断を受け、全摘手術、放射線治療(外部照射、内部照射)、無治療経過観察、の選択肢の中から無治療経過観察を選んで1年後の針生検で上記のように進展がみられ要治療と判断されました。旅行で偶然知り合った同病の方からの情報やネット等で色々調べた上自分が最も良いと思う「小線源療法」を選択しました。当時の主治医に希望を述べるとすぐに滋賀医大の岡本先生の予約を取ってもらえ、小線源単独治療を受けることが出来ました。

 PSA:PSA値の推移 5.9→5.3→5.8→8.7→6.5→8.1→7.9→9.1→10.0→8.5→8.2(1 回 目の生検時)
ちなみに滋賀医大で治療直前のPSA値は12-13でした。
 
 グリソンスコア:
  1回目の生検 2016年3月 10本中2本ヒット、グリソンスコア3+3
  2回目の生検 2017年3月 10本中3本ヒット、グリソンスコア3+4
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:
 診断時年齢:58歳(1回目の生検時)
 触診の結果は?:

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

 私は偶然にも大津市在住で滋賀医大は車で40分ほどです。それまで受診していて2回の生検を受けた病院で小線源療法を希望するとその場で岡本先生の予約を取ってもらえ、日本でも最先端の治療を枝けることが出来たのは大変ラッキーなことでした。

 手術の負担は思いの外軽く、私の場合は連休を挟んだので少し伸びましたが、基本的には3泊4日で退院できます。退院後はすぐに通常の生活に戻れ、いくらか頻尿、切迫尿の傾向の時期もありましたが、日常生活に差し支えるほどのものではなく現在では1年前に癌患者であったことも、ともすれば忘れがちです。1,000例に及ぶ治療実績でほとんど再発がないというのも素晴らしいことで、ここ数年のPSA数値の上下を気にしていた生活から解放されて大変感謝しています。

滋賀で、治療が打ち切られることについて

 このような治療が他の病院でも受けられるようになるのが望ましいと思いますが、現実はなかなか難しく、最善の治療を求めて滋賀医大へ全国から患者が集まっているのが現状です。
このような中で寄付講座を廃止するというのは常識では考えられないことです。治療実績から考えても寄付講座から正式の講座へと格上げされて当然です。スタッフを充実させて治療受け入れ可能者数を増やそうとするのが通常の対応と思われますが、そうならずに寄付講座廃止の方向へ行くところに大きな問題があります。21世紀になっても医学部や大学病院の体質は「白い巨塔」の時代と大差ないのでしょうか。残念です。

言い忘れがあればここに・・

もし、私が時を遡れたとしたら、同じ治療を選ぶかと問われたが、
私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。  大津 麻生

※ 大津 麻生 さん回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です