大津地裁│2019年5月20日
滋賀医大病院に対して治療妨害を禁止する仮処分命令
– – – – – これまでの経過(2019年5月20日以降)- – – – –
滋賀医大病院による、前立腺癌患者に対する小線源治療の妨害事件で、大津地裁は2019年5月20日、滋賀医大病院に対して、患者の小線源治療を妨害することを禁止する仮処分命令を下した。
▶ 岡本圭生医師に対する治療妨害を禁止する仮処分命令 2019年5月20日
これに対して、滋賀医大病院は異議を申し立てた(6月6日)
滋賀医大病院は、大津地裁の「岡本圭生医師に対する治療妨害を禁止する仮処分命令 2019年5月20日」の決定を不服として、決定の取り消しを求める保全異議を同地裁に申し立てた。
▶ 滋賀医大は大津地裁の仮処分決定を不服として取り消しを求めた
異議を申し立てに対して、やむなく、大津地裁に提訴(7月11日)
滋賀医科大付属病院(大津市)の治療講座閉鎖の決定で治療ができなくなるとして、岡本圭生医師は大学側に治療を妨害しないよう求め、大津地裁に提訴した。
▶ NHK での報道│07月11日治療継続求め医師が大学を提訴
しかし、大津地裁は滋賀医大の異議の申し立てを退けた(8月22日)
大津地裁は、滋賀医大病院による「治療妨害を禁止する仮処分命令 2019年5月20日」の決定に対する異議を退ける決定を下した。
これは5月20日の決定を支持するものですが、この審尋を構成した裁判官は仮処分決定のときとは違う裁判官から構成されていたため、実質、大津地裁の6人の裁判官が「この仮処分を認めた」ということになります。
現在滋賀医病院は、毎月の第一火曜日の小線源治療の治療枠については、岡本医師に使わせない方針ですが、それを撤回して11月26日までは全面的に岡本医師の小線源治療に協力すべきです。
▶ 患者会│滋賀医大は,裁判所の判断に従って妨害を止めるべき(2019 8/22)
この結果、現在でも「大津地裁 の治療妨害を禁止する仮処分命令」は有効である。
滋賀医大・前立腺癌治療の70%以上は岡本医師、これを代替する治療はない
滋賀医大を訪れる「前立腺癌患者」の治療における、1年間の実績は、およそ以下の通り
小線源治療(岡本医師)140例
ダビンチによる摘出手術(泌尿器科)40例
放射線外照射(放射線科)20例未満
合計約200例の治療のうち、約140例が小線源治療で、その半数が高リスク以上の患者です。
つまり、滋賀医大を訪れる「前立腺癌患者の約70%」の患者は小線源治療を受けており、滋賀の前立腺癌治療を支えているのは小線源治療であることは明らかです。これを代替する治療もありません。
この状況下にあっても、岡本医師はいままで通り小線源の診察・治療を続けており、癌を告知されたばかりの方も診察に訪れています。
それにもかかわらず、滋賀医大病院はこのような告知を掲載(6月25日)
岡本医師の小線源治療が、滋賀における前立腺癌患者の約70%を治療しているという現実を考えれば、本来、病院はそれを積極的に支援すべきであり、非常に高い根治性が得られる治療であることを考え合わせれば、それを発展させようと考えるのが普通でしょう。しかし、松末院長のやることはすべて逆であり、滋賀医大病院を訪れる前立腺癌患者を門前払いし、来年からの治療の道を閉ざそうとしているのです。
この告知で「泌尿器科における前立腺癌小線源治療は、令和元年7月から開始」としていますが、実際には実施できる体制とは言い難いもの
事実、泌尿器科における小線源治療はこの7月から1例も行われていません。
実際に前立腺癌と診断され、今年5月以降に泌尿器科で診察(※)を受けた患者さんによれば、小線源治療を希望したところ、担当医から「今年は小線源治療ができない」と言われ、なんと他院の小線源治療への紹介状を渡され、他院で診察を受けたとのことでした。
同じ病院内で、患者の希望が叶えられる治療が毎週行われているというのに、それを患者にまったく知らせないまま、他院の小線源治療の紹介状を渡し、他院の治療に誘導することなど患者に対する背信行為そのものです。「病気を治したいという患者の願い」を全く無視する行為をいまだ続けているということに愕然としています。
※ 泌尿器科:岡本医師は泌尿器科の医師ではなく前立腺癌小線源治療学講座 特任教授
このような、架空の泌尿器科の小線源治療の実施告知は
・・実質的に、岡本医師への治療妨害といえる
松末吉隆病院長は、泌尿器科による小線源治療が行える状況でないことを知っているにもかかわらず、待機患者さんの治療拒否、岡本の治療を停止するのが目的で「実際に行われていない架空の泌尿器科の小線源治療の実施告知」を7月直前にも強引に行いました。
これに伴い、7月第1週の3名の治療枠が泌尿器科によって押さえられ、岡本医師の患者の治療ができない事態が起きました。しかしその後、泌尿器科が「3名の治療枠」をキャンセルしたため、岡本医師の患者の治療が行われた、ということがありました。
告知したから、患者がいなくても治療枠をとる、院長のその行為により、3人患者が治療を受けられなくなったかもしれないのです。
滋賀医大病院は、滋賀における前立腺癌治療の根幹とも言える、岡本医師の小線源治療を放棄させ、それを代替する治療を用意するすることで、患者からの治療が受けられないという非難をかわそうとしています。
しかし、現実に計画された代替の(泌尿器科による)小線源治療は、小線源治療が未経験の医師によって行われるというお粗末なものです。これほどまでに患者の命を軽視した病院があるということ自体驚きであり、その病院長である松末院長の責任は重大です。
病院長による非常にねじ曲げられた情報提供
さらに、松末吉隆病院長は、病院のホームページに2019.06.11「情報提供」という名の前立腺癌治療に関する文書を掲載しましたが、その内容は「医師としての冷静さをまったく欠いたもの」。
高リスク前立腺癌の治療成績を5年PSA非再発率で比較した場合、こちらの調べでは、成績が優秀な医療機関であっても、およそこの通りです。これはある程度治療に詳しい方ならば追認できることです。
手術療法の場合、優秀な医療期間であっても、50-60%くらいである。
放射線外照射治療の場合、長期ホルモン療法を併用する病院を除けば、80-90%くらい。
小線源・外照射併用治療、長期ホルモン療法を併用を除いて、85-95%くらい。
重粒子線治療は、放射線外照射治療とほぼ同じかそれに及ばない成績
しかし、松末病院長が示した「情報提供」という名の文書によれば、5年非再発率が95%以上という論文ばかりが抽出されており、例えばその1つの「弘前大のロボット全摘」では97.6%という非再発率としている。しかし、これは術前化学療法による影響が高いと思われる論文であるが、そのような考察を一切なしに、この数値だけを取り上げたものです。
患者の正常な判断を意図的に妨げようとする悪質な誘導
このような論文の引用は、治療の選択において患者の正常な判断を意図的に妨げようとする悪質な誘導と言わざるをえません。信頼度の高い情報発信が特に要求されている医療関連情報において、国立大の付属病院のホームページに、このような恣意的な文書が掲載されてしまうこと自体が「病院から発信される情報が検証されていない」という証であり、病院長の独断で行われていることはあきらかであり、これを掲示した松末院長の見識が厳しく追求されるべきです。
詳しくは:「情報提供」という名の文書の検証!
▶ 病院長による「前立腺がん治療に関する情報提供」は、患者に対する情報操作である
裁判所による治療妨害禁止命令がなかったなら、患者は命の危機にさらされた
もし裁判所による治療妨害禁止命令が滋賀医科大学に課せられなかったなら、滋賀医科大学付属病院において7月以降1例も小線源治療は行われず、岡本医師の待機患者は、施設があり、医師、スタッフがいながら不正の隠ぺい、つじつま合わせのために治療が受けられず、命の危機にさらされるという深刻な事態になっていたはずです。
これ以外にも、松末院長は2017年11月から年末にかけて、岡本医師の小線源治療患者に対して予約停止をおこない、全国から来院した患者約270名を追い返した、これに対し患者会は病院側に弁護士を差し向け予約停止の解除を申し入れ一応収束した。しかしこれは、患者モルモット事件の隠蔽、もみ消しをはかるため「2017年末までに必要な岡本医師の治療契約更新を故意に引き伸ばし講座の消滅を狙ったもので、この件に直接関係のない、多数の患者の予約停止、診療停止を断行したのである。
これ以後松末院長は不正隠ぺいのために病院を意のままに操り、患者の命を犠牲にしてまで裁判所の治療妨害禁止命令にも逆らっているのである。
松末院長は即刻辞任すべき
このことは松末院長が不正隠ぺいのために、その立場・権力を使っておこなった「患者の命を奪うこと」に等しい行為であり、患者と社会に対する重大な背信・背任行為です。このような患者の人権を著しく侵害し続ける反社会的な人物が国立大学付属病院長として居座り続けていることが一連の滋賀医大問題の根源であり、公務員として不適格極まりない、このような人物は即刻辞任すべきであると考えます。
医師の方にお読みいただきたい
私は、4年前に前立腺癌の治療を受けた患者ですが、岡本医師の治療に関して、それを盲信しているわけではなく、できるだけ客観的に評価するよう心がけています。
岡本医師の評価はともかくとして、今回の松末院長の「情報提供」におけるデータ抽出は、あきらかに恣意的であり、高リスクの特定の手術療法(抗がん剤とホルモン療法の併用)において「97.6%」であるという数値は、通常の治療とはかけはなれているということは、ご承知の通りです。
このような文書が堂々と「患者に対する情報提供」として掲載されるようでは「内部でその内容のチェック機構が働いていない」ことがあきらかですから、松末院長の独断でこのような掲示が行われたものでしょう。松末病院長は冷静な判断力を失っています、このような医師の暴走がなぜ国立の大学病院で許容されるのか不思議でなりません。そのチェック体制は無きに等しいということでしょう。医師の皆様、これは普通のことですか?、どうか皆様からの冷静なご意見をお寄せいただくとともに、お力をお貸しいただけませんか。もちろん、お名前を開示することはいたしませんので、どうかご連絡をいただくようお願い申し上げます。
▶ 滋賀小線源治療患者会 代表幹事へのコンタクト
京都新聞での報道│7/12(金)
がん治療の継続求め提訴 滋賀医大、講座閉鎖の医師
アーカイブ:京都新聞での報道│7/12(金)
滋賀医科大付属病院(大津市)の治療講座閉鎖の決定で治療ができなくなるとして、特任教授の医師が11日までに、大学側に治療を妨害しないよう求め、大津地裁に提訴した。9日付。
訴えたのは前立腺がん患者向けの「小線源治療」を行う岡本圭生医師。
訴状によると、大学側は岡本医師の講座を12月末で閉鎖すると一方的に決定。手術は6月までとし、その後を経過観察期間とした。一方、岡本医師は12月までの手術受け入れを主張している。滋賀医大は「訴状を確認していない」とコメントした。
同地裁は、岡本医師や患者の申し立てを受け、5月に大学側の治療妨害を禁止する仮処分決定を出した。大学側は決定を不服として取り消しを求める保全異議を地裁に申し立てている。
[掲載終了] 京都新聞 7/12(金) 7:20配信
NHK での報道│07月11日
治療継続求め医師が大学を提訴
アーカイブ:NHK-滋賀県のニュース
前立腺がんの独自の治療を行っている滋賀医科大学附属病院の医師が、雇用契約などを理由に今月以降の治療行為を大学側から禁止されたのは、医師の裁量権の妨害行為にあたるとして、年内の治療の実施を認めるよう求める訴えを9日、大津地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、滋賀医科大学附属病院で前立腺がんの治療を行っている岡本圭生医師です。
訴えによりますと、岡本医師は前立腺がんの患部に高い線量の放射線をあてる独自の治療を行っていて、患者への治療のほか後進の指導などにあたっていますが、ことしいっぱいで滋賀医科大学との雇用契約が切れます。
大学側は、今月以降の残りの半年間は治療の経過観察の期間にあてるとして新たな治療の実施を禁止していました。
これに対し、岡本医師は、年内いっぱいは医師としての裁量権が認められるべきだとして、同意が得られた患者への治療を妨害しないよう大学側に求めています。
大津地方裁判所は、今回の訴えに先立って岡本医師らから出された仮処分の申し立てに対し、「大学側の措置には合理性がない」などとして、ことし11月末まで治療の実施を妨害しないよう命じる決定を出していて、治療は現在も行われています。
大学側は、この決定を不服として異議を申し立てていますが、今回の提訴については「訴状を確認していないのでお答えしかねます」としています。
一方、岡本医師の担当弁護士は「患者のために治療を行う医師の権利に対し、大学側が争う姿勢を示していることが残念です。裁判では、医師の裁量権が認められるよう全力を尽くします」とコメントしています。
[掲載終了] NHK NEWS WEB 滋賀 07月11日 17時38分
松末 吉隆 病院長
滋賀医科大学医学部附属病院の理念・基本方針の下に、「患者さんにやさしく、信頼と満足を与えられる医療」を目指し邁進します。そのためには、患者さんの気持ちを理解し、患者さんの目線で考え、自らに謙虚で技量を磨き、病気に対して患者さんと一緒に歩む姿勢でなければならないと考えます。
https://www.shiga-med.ac.jp/hospital/doc/hospital/greeting/index.html
理念は素晴らしい、しかし現実との乖離を埋める唯一の方法は、
松末 吉隆 病院長の辞職であると思われる。