《滋賀医科大学附属病院問題》 黒薮哲哉

前立腺癌の革命的な療法「岡本メソッド」が京都の宇治病院で再開、1年半の中断の背景に潜む大学病院の社会病理 黒薮哲哉
http://www.rokusaisha.com/wp/?p=40547

大学病院から追放された非凡な医師が医療現場に復活を果たした。前立腺癌治療のエキスパートとして知られる岡本圭生医師が、治療の舞台を滋賀医科大付属病院(大津市)から、宇治病院(京都市宇治市)に移して治療を再開したのだ。

この治療法は、岡本メソッドと呼ばれる小線源治療で、前立腺癌の治療で卓越した成果をあげてきた。しかし、後述する滋賀医科大病院の泌尿器科が起こしたある事件が原因で、1年7カ月にわたって治療の中断を余儀なくされていた。

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わたしがこの事件を取材したのは、寄付講座の最後の年、2019年に入ってからである。取材を通じて、過去に滋賀医科大病院が優秀な心臓外科医を追放したことがあるのを知った。この病院は、優秀な人材を活用できない。

その背景に前近代的な「村社会」の存在が垣間見える。内弁慶がはびこる日本社会の縮図が現れている。患者の生命がかかっていても、この体質は変わらない。

事件には始まりがあり終わりがある。そして終わりは、新たな始まりでもある。今後、岡本医師と患者会が、滋賀医科大事件の「戦後処理」をどう進めるかに注目したい。

※この事件の詳細は、『名医の追放』(緑風出版)に詳しい。http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1918-8n.html

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