滋賀医科大学附属病院の訴訟
手術をめぐり嘘判明
滋賀医科大付属病院(大津市)泌尿器科の科長、副科長を相手に、県内の前立腺がん患者4人が、手術を巡る説明義務違反について損害賠償を求めた裁判で、大津地裁は4月の判決で違法性を認めず、患者側敗訴した。だが、裁判の中では、病院側の不正行為や「うそ」が判明。患者らは「不正を改めてほしい」と声を上げている。
「大学は不正を認めて医師を刷新してほしい」。敗訴から4ヶ月余りたったが、原告の男性患者は怒りを込めて語った。
前立腺がんの「小線源治療」の権威で、同大の特認教授を務めていた岡本圭生医師に代わり泌尿器科の副課長が未経験であると告げずに治療しようとしたことを訴えた訴訟。判決は原告4人中の2人について説明義務違反を認めたが「違法性は認められない」などとして訴えを棄却した
当時の学長、病院長が証人として被告側を支えた裁判で課長による公文書偽造の疑いが浮上した。科長と岡本医師の連名、はんこ付きで記された人事書類が見つかり、岡本医師が「見たことがない」などと主張。判決は陰影などを根拠に書類は岡本医師の意思で作られたものではないと認めた。原告側弁護士によると科長は八月に書類送検された。
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