カテゴリー: 小線源単独療法 宇治病院
小線源単独療法 熊本 若杉
お住まいの地域:熊本県
治療を受けるまでの経緯は?
2022年3月。会社の健康診断でPSAが4.36と基準値を僅かに超えていたため”要精密検査”との診断を受けました。その時点では前立腺がんなど全く疑うことなどなく、一時的なものと思っていました。
その1月後に掛かりつけの内科医で受けた定期検診では、PSAが更に4.84まで上昇しておりました。これはしっかり調べてもらおうと思い、すぐに紹介状を書いてもらい、その足で泌尿器科を受診しました。エコー検査を受け、少し前立腺が大きくなっているので前立腺肥大とは思うが念の為にMRI検査を受けましょうと勧められ、後日検査を受けました。
MRI検査の結果、片側に疑わしい影があるとのことで10本の経直腸生検を受け、その内から4+4の高リスクのがんが見つかりましたとの診断を受け、まだ若いのにお気の毒ですと告げられました。その泌尿器科ではダヴィンチによる前立腺全摘手術を強く勧められ、数日以内に返事してくださいとのことでした。
家に戻り、過去数年間の健康診断結果を見返してみると、PSAは数年前から上昇しておりましたが4未満だったので「A判定」となり、全く気にも留めておりませんでした。思えば私の父も75歳で前立腺がんを患い、重粒子線治療を受けており、その時点で治療から7年経過しておりました。
家系的にも前立腺がんのリスクは高かったのかなとは思いますが、自身がその診断を55歳で受けるなど本当に寝耳に水でした。前立腺がんの知識など全くない状態でしたので、その時点では医師から勧められたダヴィンチによる全摘か重粒子線治療の2択でした。
医師に全摘の事を聞くと「術後に尿漏れがある人が多いので、しばらくはオムツが必要でしょうが、数ヶ月もすれば治るでしょう。万が一再発しても放射線治療が受けられます。」などダヴィンチ手術が最善みたいな説明でした。
しかし私としては、まだ現役で仕事をしておりますので、オムツをはめて会社に行くことには抵抗があり、父の受けた重粒子線治療に気持ちが傾いていました。
ちょうどその頃、父の定期検診でPSAが徐々に上がり始めPSA再発との診断が下り、重粒子線治療を受けようと思っていた気持ちが崩れていきました。
それから寝ても覚めても必死でネット検索をし、
様々な情報を集め始めました。そんな中、密封小線源療法というものが目に留まり、読み進めていくと根治の可能性が高く副作用などのリスクも少ないということに大きな光が見え始めました。
地元熊本で小線源療法を受けられる病院はあるのかと調べていますと、小線源治療は施術する医師の腕次第で結果が大きく違うということが分かり、名医を必死で探しました。そんな中、滋賀医大に岡本先生という方がいらっしゃるということが分かり連絡を取りたいと思って調べていくと、滋賀医大で大きな問題が起きて現在は京都の宇治病院で治療をされていることが分かり、ネット上に書かれていたメールアドレスに診察を受けたい旨を送ってみました。
全国から患者さんが来られているということでしたので、本当に返信が来るのか半信半疑ではありましたが、藁にも縋る思いでメールを送信したのを鮮明に覚えております。その結果、当日中に返信をいただき、これまでの検査データを紹介状を持って1ヶ月後に京都まで来てくださいとのことでした。
その時は「これで助かる」と思ったのが正直な気持でした。
元々がんの診断を受けた地元の病院へ行き「京都の病院で治療を受けますので紹介状を書いてください」と伝えたところ、「京都まで治療に通うなんて何を考えているのですか?その後泣きついてきてもうちでは受けませんよ」とまで言われましたが、「私の命です。治療方法は自分で決めます」と言って押し切りました。
そこから岡本先生の元へ月1回の通院が始まりました。熊本から京都の宇治病院までは、新幹線と電車を乗り継いで行くので、早朝に家を出て帰宅は夜10時過ぎでしたが、私の息子が大阪に住んでいましたので、仕事を休んで送り迎えしてくれることもあり、とても助かっておりました。
初診から半年後の11月に岡本先生の治療を受けることが叶いました。
PSA:4.84
グリソンスコア:4+3
陽性率: %(生検 本中:陽性 本)
T分類:T2a
MRI検査:右葉外腺に腫瘍疑いあり
診断時年齢:55歳
触診の結果は?:
治療後にどう感じましたか
治療予定の方は現在の気持ち
まず、治療前初診から1月後に宇治病院で40本の会陰生検を受けました。
熊本の病院で生検を受けていたのになぜ再度検査を受けなければならないのかと思いましたが、10本の検査では不十分なので前立腺全域の状態が分かるように40本の生検を行いますとのことでした。その結果、グリソンスコアは4+3の中リスクに修正され小線源単独治療の適応と診断を受け、心から旨をなでおろしました。
その結果を聞いたのが2022年9月で、治療を受けたのが11月でしたので待ち遠しくはあるものの、その間にプレプランもありましたので直ぐに治療を受けられた印象があります。
治療後は尿漏れなど治療後のQOLが最も不安でしたが、尿漏れもなく痛みもすぐに治りましたので術前に抱いていた不安はすぐに消えていました。
現在の経過、伝えたいことなど
差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。
私の場合、治療後のPSAはゆっくりと下がっています。
2024年4月のPSA検査では3.606とそこまで下がっておらず少し不安もありましたが、治療時点での転移がなければ下がっていくという岡本先生の言葉を信じておりました。
2024年7月には2.047に下がりましたが、その年の10月には2.266に上昇したので不安な気持ちになりましたが、バウンス現象で一時的にPSAが上がっているものと考えますとのことでした。
2025年1月には0.899に下がり、同5月には0.506まで下がりました。岡本先生からは「極めて順調な経過です」とのお言葉をいただきました。
男性機能は問題ありませんが、射精障害があります。
もし地元の泌尿器科医師に言われるままダヴィンチによる全摘手術を受けていたならば尿漏れや男性機能の消失は避けられなかったと思います。
何より、全摘手術5年後の再発率は20〜30%と高く、何も知らずに医師に言われるがままダヴィンチ全摘手術を受けなくて本当に良かったと思います。自分の命です。しかも前立腺がんは進行も遅く、治療の選択肢多いので、最初の治療は真剣に考えてほしいと思います。
私の地元に前立腺がんと診断された方がいらっしゃいましたので、迷わず岡本先生の病院を紹介し、治療を受けられました。その方からもとても感謝されています。
患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?
「はい、この治療を選びます」
熊本 若杉
札幌 松田さん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。
「京都まで治療に通うなんて何を考えているのですか?その後泣きついてきてもうちでは受けませんよ」と言われたそうですが、なんと傲慢な医師なんでしょう、こんなことを言う医師に一切の治療はしてほしくないですね。
患者には自分の治療法について自由に決定を行う権利があります。この権利を行使する前提として、必要な情報を得る権利を有しています。つまり医師は治療法に関して公平で十分な説明を行うべきですが、短い診察時間の中でそれがなされぬまま”治療の選択を迫られること”も少なくありません。
「私の命です。治療方法は自分で決めます」 ・・・その答えで大正解、全くその通りです。
患者会