カテゴリー: トリモダリティ療法 宇治病院
お住まいの地域:東京都
治療を受けるまでの経緯は?
私は東京都で歯科医院を開業している者です。
私の前立腺がんの話は、2011年の定期検診時に初めてPSAを検査項目に入れてから始まります。最初は2.60でパス、2013年は3.44、その次の年に4.00を越え、内科主治医に詳しい話も無く紹介状を渡されJ病院を受診しました。
J病院
こちらでは医師が紹介状のデータを見た後、極めて事務的にMRIと針生検の手配をし、どうゆう可能性があるのか、なぜ段階的に検査をしないのか等、全く説明されず大変な不安を伴う不信が湧き上がり、MRI撮影時の帰り際に反射的に針生検予約をキャンセルしてしまいました。
J病院泌尿器科は、地域でのPSA検診推進を唱える基幹病院であり、正にベルトコンベアーに乗せられている感が強く感じられたのが拒否の理由だったと思います。後日、MRIの結果説明の時に「なぜ、キャンセルするんだ、他の患者もいる中で予定が狂うではないか、大変なことになっても知らないぞ」と歳若い担当医と更に若い研修医とで恫喝され、ここで治療するなら死んでもいいとさえ思い病院を後にしました。
その後、様々な書籍も読んだのですが、人間弱いもので耳触りの良い、近藤誠医師の理論に影響されてきてしまったようで、辿り着いたのは東京大田区にあるTクリニックのT医師でした。
大田区 Tクリニック
エコーと触診で「癌ではないね、少なくとも治療する状態では無いから前立腺肥大症薬で対処しましょう」と言われ救われた気持ちでその後数年通院していたものです。その間、触診するわけでもなくエコーも年に一度するかしないかと言う状況での経過でした。
なにより不安だったのは血液検査がないことで、今から思い返せば、専門家に診てもらっているという権威に逃げ込んでいただけの、なんとも愚かな医師と患者であったと言うことです。医療に携わる者として恥ずかしい限りです。個人開業医は健康診断の血液検査は義務では無かったこともありますが愚かです。
T医師は針生検に否定的で、その行為は’寝る子を起こす’に等しいと氏のブログにも繰り返し記述しています。ユニークといえばユニークなのですが、一定の率で私のような患者が現れてくることをどう考えているのでしょう。
ともあれ半年に一度、前立腺肥大症薬アボルブを貰いに行くことを繰り返し2022年まで経過することになったのです。
ただ、自分の事は棚に上げてなのですが、たまたま数年前から自分の患者さんの為に血液データを読みながらアドバイスをする研鑽を始めておりまして、ふと自分のデータも学習の為に診てみようと久方振りに検診に行ったのが2022-2/2。結果を手にしたのが2/22、驚愕の知らせはPSA58.53と言う数値。
不思議だったのは血液検査項目にPSAはオーダーしていなかったことです。その検診所での必須項目だったのかもしれませんが、なにかしら導きを感じたものです。
近隣の泌尿器科
さすがに慌てふためき、前記のTクリニックに連絡をとるも院長自身入院とのこと。この時点で縁を切り、近隣の泌尿器科に転院。再度の血液検査ではさらにPSAは70を超えており、泌尿器科医からは「この数値だと転移率は50%ですね」と言われました(後に情報精査してみると多くても20%程度であることを知りましたが)。
T医大
直ちにT医大に一連の精密検査を受けに行ったのが3/3でその時のPSAは69.46。前立腺癌の告知を受けたのが4/7で余命宣告を覚悟し診療室に入った時は蒼白だったと思います。
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結果は骨転移、明瞭なリンパ節転移はなく
ステージT3a
グリソンスコア4+3=7
限局癌で治療対象となりました。
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当初は重粒子線治療を予定していましたが、検査期間である3/3から4/7迄の1ヶ月の期間にネット、書籍、YouTube等で手当たり次第、情報収集をし、もし私に転移が無かった場合は、当時、宇治病院の岡本圭生先生にお願いしょうと決めていました。私の場合、調べる程に他の選択肢は消えて行き、後は岡本圭生先生が受けてくださるかどうかだけです。
宇治病院 岡本医師
告知が出て迷うこと無く”じじじぇんじぇんがん”ネットサイトから岡本先生へのダイレクトメールをし、即日返信をいただき5/11に京都に行くことになりました。そして3ヶ月に一度、東京始発乗りの治療は始まりましたが希望だけを考えていたと思います。
PSA:76.41
グリソンスコア:4+3=7
陽性率: 50%(生検 10本中陽性 5本)
T分類:T3a
診断時年齢: 62歳
触診の結果は?:実施せず
治療後にどう感じましたか
治療予定の方は現在の気持ち
癌治療の中心である密封小線源手術は2時間たらずで済むものです。その後の外照射は東京で行われましたが、朝7:00に新宿の自宅を出発し30分かけて世田谷の東京医療センターへ行き、わずか5分の照射時間で済むものでした。その足で勤務地に向かい10:30仕事を開始するという毎日が続き、25日間を終えた時はさすがに感慨深いものがありました。
私はトリモダリティ療法を受けましたが事前にネット上で他患者さんの多くのドキュメントを見聞きし自分でシュミレーションができたことは全く幸甚で、思い悩むこと無く治療に専念できました。これらの発信情報には本当に助けていただき、あらためて時代というものを想います。
現在の経過、伝えたいことなど
差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。
トリモダリティ治療中も歯科医の仕事は変わらず行なえてはいたのですが、やはりホルモン剤の影響は随時表れ、これも修行だと自らに言い聞かせています。さらには今も続いている岡本先生の診療時間には人生観や死生観、医療の心構え、生き様、使命、理念等を教授いただき、それがとても心の支えになっています。
2025年2月の時点では体力も徐々に回復し、自分の患者さんに全力を振り絞り、お世話をさせていただけていることに感謝と同時に喜びを感じております。岡本先生がいつも言われる”チャンスは一度きりだ”との言葉はしみじみそう思っていて、治療を遂行する上で思い悩むことがないことは、これはとても大事なことです。
現状としては患者自身が出来る限り情報を調べ上げ、治療法を検討し、担当して頂く医師と対話し、最善で唯一の治療法を決定しなければならない。 事前の情報収集をすれば、我々が欲しいのは完治であり、それを示すのは非再発率です。それをもって他の治療法と比較すれば迷うことはないでしょう。しかし、文字通り命懸けとは言え、患者にとってこの作業は非常に困難で労力のいるものです。
一番言いたいことはこのエビデンスをその分野のどの医療機関でも提示しなければならない。そうでなければ不誠実ないし不勉強の誹りは避けられないと思います。多くのそうではない医師を少なからず見て来た事実が迫ってきます。
どうか、もし自分が治療を受けるのならどうしてもらいたいかをけっして忘れないで居ていただきたいと請い願う次第です。
患者はこの先生にこの治療をしていただけるのなら結果はどうなってもかまわないと思いたいのです。
ちなみに性機能についてはこの2年は性交はしておりませんが、ここのところ朝立ちはチラホラあります。現在のテスティステロンは上昇しておりますが、その気になれば可能とおもわれます。
患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?
「はい、この治療を選びます」
東京 藤井
東京 藤井さん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。