名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録

 新刊『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(黒薮哲哉著、緑風出版)の書店配本が(2019年11月31日)から始まっている。「事件の記録」となっているが、いままさに「追放されようとしている」状態、つまり現在進行中であり、この状況であっても岡本医師は患者の診察、治療を続けている。患者の利益を最優先に考えている医師が排除され、ただただ従順なだけの医師が新たな治療を開始している、という現実がある。
医療機関は、私達に「最良の治療法を提案してくれる」、などと考えてはならない。そんなことは稀なのである。

 滋賀医科大病院で、前立腺癌に対する小線源治療の手術経験がまったくない泌尿器科の医師が、患者を手術訓練のモルモットに利用しようとした事件が発覚した。

同病院では、2015年1月から独立した小線源治療学講座を開き、それに併設する外来で、小線源治療においてその根治性で優れた実績を持つ岡本圭生医師が小線源治療を行ってきた。
 ところが岡本医師を快く思わない泌尿器科の教授らが、岡本医師とはまったく別に「泌尿器科独自の小線源治療」を計画。本来は、岡本医師が担当すべき患者ら23人を、泌尿器科の別の担当医に誘導した。

 だが、岡本医師は“いわば素人”による手術を実施寸前で止めた。
幸いに泌尿器科の無謀な計画は学長命令で中止になり、岡本医師が学長命令により23人の治療を引き受けた。そして診察した結果、そもそも小線源治療の適応がない患者や、術前の不要な医療処置で小線源だけの単独治療ができなくなった患者の存在が判明した。

 被害患者らは大学病院に謝罪を求めた。ところが滋賀医科大の塩田浩平学長や松末吉隆院長は、岡本医師の実績をねじ曲げ、岡本医師の追放に着手する。
今年2019年末で、岡本医師は退職することになり、患者にとっては非常に根治性の高い治療を受ける機会を失うことになる。それが今、進行している。

山口正紀(ジャーナリスト・元読売新聞記者)氏の推薦文

高度な技量を要する前立腺癌の小線源治療で名高い名医がいて、全国から患者が押し寄せる滋賀医科大病院。泌尿器科のボス医師らが〈手術未経験〉を患者に隠し、治療を企んだ。その暴挙を告発・阻止し、患者を救った名医が今、病院を追われようとしている。カルテ不正閲覧、QOL調査票の偽造……次々浮上する卑劣な追放工作。
患者の命より病院幹部のメンツを優先する〝黒い巨塔〟の闇に迫る! ──山口正紀 (2019.10)

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その他、多数

京都新聞 2019.11.15
滋賀医大病院で進行中の名医追放劇の報告!

滋賀医大病院には前立腺癌の治療を求め全国から患者が押し寄せる名医がいる。
しかし病院幹部は名医追放を画策。何故? 次々と浮かび上がる捏造、卑劣な追放工作。患者の命より幹部のメンツを優先する白い巨塔・伏魔殿のドキュメンタリー。

書評です お読みください

名医の追放 滋賀医科大病院事件の記録 みんなのレビュー
https://honto.jp/netstore/pd-review_0629966693.html

大学は寄付講座の延長を最長で5年とするという新しい規定を作り、岡本医師を追放しようとしている。この追放の過程で、命の危険が高い重症患者が名医を頼り全国から治療を求めてきているという現実を、大学は重きを置いていないように感じる。
患者のことを第一に考えるべきだ。
投稿者:kawazoe

私はこの本を、滋賀医大の関係者に読んでほしい。
本来、助かるはずの命、医療従事者としてどんなスタンスで患者と接していくのか、もう一度、自分の医療従事者としての進む道を考えてみてほしいと思います。
投稿者:ul-s

ストーリー性ある濃い内容ゆえフィクション小説かと錯覚させられるが、本書は国立大学病院で起こった事件の実録である。中核的な登場人物も実名であり、万一間違った記載があれば名誉毀損で筆者は訴えられるだろうが、取材ベースの詳しい記載、モルモットにされそうになった癌患者のリアルな証言、カルテ不正閲覧履歴も掲載され、客観的事実に基づく内容と思われる。
投稿者:かわだ

著者の黒藪さんのシンプルでわかりやすい解説は定評がある。本書も直接取材を原則とし、滋賀医大で起きている事件の本質を鋭く解説したルポタージュである。
医療は何のために、誰のためにあるのかという根本的な問題を考えさせられる。医療は患者ファーストであるべきだ。決して、一教授や大学トップのメンツや自己満足のためにあるのではない。多くの方々にこの事件の真相を知っていただきたい。
投稿者:TD