– – 滋賀医大病院は、患者に対して誠実である、と胸を張って言えるのか。 – –
我々患者はたびたび病院に説明を求めたが、
その回答は”言い逃れに終始する”ものであった。
癌と告げられた私達の一番の願いは、なんとしてでも「完治したい」ということです。そのためには病院や医師の選択は重要であり、たとえ遠くまで足を運んででも根治性の高い治療を受けたいと考えます。自分だけ質の高い治療を受けたいというのはエゴであるとも言えますが、自分の命は自分で守るしかないのです。
ACT1 2015年 滋賀医大病院 泌尿器科外来
滋賀医大附属病院には、前立腺癌治療のために診察を希望する患者に対して、大きくわけて2つの診察室が用意されていました。
Aの診察室
ここに案内されると泌尿器科のA医師(成田医師)が担当しますが、この医師の専門は全摘出手術で、小線源治療の経験は全くありません。
しかし、驚くべきことにAの診察室に案内された患者の多くには、A医師から小線源治療が勧められました。23人の患者がこの治療に誘導されましたが、患者に対して小線源治療の経験がまったくないということは伏せられていました。
また、「患者の完治したい」という望みに対して、医師は誠実に応えるべきです。少なくとも「隣のBの診察室では、それを高い確率で叶えることができる」という情報を患者に提供した上で、治療の決定をさせるべきです、それがなされていないのでは、まさに「だまし」であり、不誠実な対応です。
Bの診察室
一方、他院からの紹介で紹介状に「岡本医師」の名があった場合にはこのBの診察室に案内されました。担当医は、
症例数1000例以上のベテラン医師(岡本医師)です。小線源治療により高リスク患者に対しても、完治性の高い治療を行っています。
紹介状に岡本医師」の名がない場合はすべてAの診察室に案内されました。
2015年末に、A医師が「未経験を患者に伝えぬまま治療を行おうとしたこと」が発覚し、A医師による小線源治療は中止されました。しかし関係者には何の処分もされず、現在に至っています。
ACT2 2018年 滋賀医大病院 泌尿器科外来
2018年でも、前立腺癌治療のために診察を希望する患者に対して、2つの診察室に案内されるのは代わりません。
Aの診察室
従来通り泌尿器科の医師(成田医師)が担当しています。
Aで診察を受けると、治療選択肢として一応「小線源もある」とは説明されるものの、その治療実績に触れることはなく、結果的に成田医師が専門の「全摘出手術」が勧められることが多い。(ただし、これは多くの病院で担当医が得意とする治療を勧められることが多いのが現状であり、滋賀に限ったことではない)
Bの診察室
Bの診察室に案内されれば症例数1000例以上のベテラン医師(岡本医師)が担当で、小線源治療を核とした高リスク患者に対しても、完治性の高い治療を行っています。これは変わりません。
他院からの紹介で紹介状に「岡本医師」の名があった場合にはこのBの診察室ですが、そうでない場合は、どちらの診察室に案内されるかはわかりません。
治療後どれくらい根治できるのか
この2つの治療において、高リスク患者に関して、治療後どれくらい根治ができるのか(5年PSA非再発率)を比較してみます。
Aの診察室(成田医師)は40%~60%の完治率と推定
泌尿器科で行われる前立腺癌の治療は、主にダビンチによる摘出で、年間40症例程度です。
※ 40%~60%の完治率
滋賀医大の「全摘出手術」の治療実績は開示されていません。このため、比較的優秀な成績であると思われる、がん研有明病院(5年PSA非再発率61.6%)及び九州医療センターの約40%であることから推定しました)
Bの診察室(岡本医師)では、90%を軽く超える完治率
年間140症例程度の治療を行い、その約半数は高リスク、超高リスクでありながら、5年PSA非再発率95%以上です。もし、Aの診察室で、岡本医師の治療実績を正しく患者に伝えていたとしたら、はたして患者は「全摘出手術」を選んだだろうかという疑問が湧きます。もし、正しく患者に伝えられていなくて、あとでこの事実を知ったなら、患者は滋賀医大病院に対して大きな不信感を抱くに違いない
中間リスクではこの差は縮まりますが、中間リスクと診断された場合でも術後の病理診断で「高リスクとされることも珍しくありませんから、高リスクへの治療成績が治療の信頼度を測る目安となります。
根治したいという望みに誠実に答えていない
他の医療機関と違うのは、同じ院内に「根治率の圧倒的に違う2つの治療法が存在」し、しかもその違いが患者に明確に示されていないということです。
患者は誰でも、根治したいという望みを持って治療に訪れます、こんな状態で、その患者の治療に対して、滋賀医大病院は誠実に向き合っている、と言えるのでしょうか
2019年3月現在は、状況はさらに悪化し、泌尿器癌の初診はAの診察室(成田医師)のみとなり、Bの診察室(岡本医師)は別フロアに移動になり、しかも滋賀医大病院は、他院から岡本医師に紹介されてくるがん患者を門前払いしています。
患者会には、たびたび、つい最近癌を告知された方から、なんとか岡本医師の治療を受けられないか、という悲痛な声が寄せられますが、それに答えることができないでいます。
泌尿器科 河内教授は何がしたいのか?
前立腺癌治療において、前述のように、泌尿器科で扱うダビンチによる治療は、年間40症例程度。岡本医師による「前立腺癌小線源治療外来」では年間140症例と大きく患者数が違い、根治率も桁違いの差があるという現状では、泌尿器科教授としては、憤懣やるかたない思いであったことは容易に想像がつきます。
しかし、だからと言って、スーパードクター扱いされる岡本医師を排除してしまえ、というのでは、あまりに患者の命を軽視しています。しかし、それがあからさまになってしまうのはまずいから、4月から新しい医師による小線源治療の診察を開始するというアナウンスをして、患者さんには、新しいチームの治療か、転院かのどちらかを選んでいただく、などという見せかけの取り繕いをおこなった。
しかしその新しい担当医は、小線源治療に関する説明義務違反、未経験を秘匿して実行しようとした成田医師です。その成田医師に小線源治療を大手を振ってやらせようというのですから患者にとっては悪い冗談、あるいは悪夢としか言い様がありません