滋賀│患者の心は.. 大きく揺れています

2019年12月31日
滋賀医大病院は、患者会から幾度も要請したにも関わらず1度の説明会を開くこともなく、ついに岡本医師の治療を終了させました。この病院関係者以外誰の得にもならない決定に、私たち患者は戸惑っています。
現在、滋賀医大病院・泌尿器科は、新たに小線源治療を開始しています。その小線源治療に関わる放射線科医の河野医師はベテランですが、実際に手術を行う泌尿器科医は経験のない医師です。今まで岡本医師が滋賀で行っていた治療とはまったく別であることに注意してください。

滋賀医大は岡本医師の診察はさせない・・つもりだ。それが前立腺癌を告知されたばかりの患者に大きな苦痛を与えている。
なぜなら、滋賀医大病院 岡本医師はこれまで、難治性とされる高リスク前立腺癌であっても、転移のない状態であればほぼ全患者根治が見込めるというくらいに信頼できる治療法である「小線源治療」を行ってきた。しかし滋賀医大病院はその治療を打ち切るとしているからです。

大津地裁は2019年5月20日、、滋賀医科大に対して「前立腺癌患者に対する小線源治療の妨害事件」において治療妨害を禁止する、という前代未聞の仮処分命令を下した。これにより、2019年11月までの治療が可能になった。
しかし、滋賀医大は、それに対する意義申し立てを行った。2019年8月22日、大津地裁によってこの申し立ては退けられたが、滋賀医大はこれだけの事件でありながら、患者に対する説明会を一切開く気はないようで、だんまりをきめこんでいる。

やっと滋賀にたどり着いた患者を門前払い

病院側にどんな理由があるにせよ、患者を治療できる力のある医師がそこにいて、治療が可能であるのに患者に診察を受けさせない。さらに、その医師を排除して”実績のない新たな医師による医療を開始する”などど宣言する病院に「患者のためという発想は全くない」と言っていい。

入院してみて感じたことだが、滋賀医大でも多くの医師、看護師、職員は本当に誠実であると感じている、個人的にもとても感謝している。しかしながら、滋賀医大病院長や泌尿器科の患者に対する理不尽な対応は全く許せない気持ちである。その対応が滋賀医大がすべてダメである、という評価に繋がりかねないということを、関係者の皆様はよくお考えいただきたい。

担当医がいなくなる・・に、感情的に反発しているのではない

私達患者会は「自分の担当医が滋賀からいなくなるかもしれない」という状況に、感情的に反発しているわけではない。事実、多くの患者は治療が終わっており経過観察中で、ほぼ再発もしないと確信しているから、担当医が変わってもそう困るわけではない。
しかし、私達は、つい最近「前立腺癌である」と告げられ「少しでも根治性の高い治療を受けたい」と望む患者の気持ちが痛いほどわかるから、ただ「生きたい」という望みを打ち砕くようなことを平然と行う病院長や泌尿器科の態度に我慢ができないのである。

おそらく一般の方は「そんな病院になどさっさと見捨てて、もっと良い病院を探せば良いと思われるかもしれないが、「高リスク前立腺がん治療は確立していない」と言われるほど多様な治療法が存在し、評価が分かれる。しかしそのどれもが岡本医師の治療成績には達していないのである。
前立腺癌は、進行も遅いし命を失うことなどほとんどない、などと言う情報もあるが、そんな患者ばかりではない。高リスク、超高リスク前立腺癌の治療は、治療法によってはその言葉通りに命を失う危険が少なくないのである。高リスク、超高リスク患者にとって、最後の望みとも言える治療を受けたいとして、遠方からでも滋賀に足を運んでいる患者もいる、という事情をご理解いただきたい。

再構築すべきは小線源治療ではなく、泌尿器科自体である

長年、滋賀医大病院において多くの前立腺がん患者を救ってきたのは岡本医師である。それが何の合理的な理由もなく病院から排除されるようでは、その病院そのものが病んでいるとしか思えない。

実際のところ、滋賀で行われる前立腺がん治療のうち七割が岡本医師の小線源治療、二割が泌尿器科の摘出手術です。つまり滋賀の前立腺癌治療の根幹は岡本医師の治療であり、病院への貢献、患者への利益も両立させている。それに対して、泌尿器科の前立腺がん治療の実績に見るべきものは何もない。本当に再構築すべきなのは、小線源の治療体制ではなく泌尿器科本体と、それを擁護する病院自体なのである。

それは不正医療の隠蔽と幕引きのため

前立腺癌小線源治療学講座という寄付講座は五年の期限であると言うなら、それでもかまわない。病院に存続させたいという意思があるなら、小線源治療研究講座とでもして新たな名称の寄付講座を新設する、あるいは常設の講座を新設すれば良いだけのことである。しかしそれをしないのは、はじめに岡本医師の排除ありきだからなのです。

それでは、なぜこんな道理にあわない 患者の命を軽視する行為を病院側が強引に推し進めているのか?といえば、答えは明快である。
2015年におこった患者モルモット事件における、不正医療の隠蔽と幕引きのためであり、松末病院長と泌尿器科河内教授は、医療サービス課と連携し岡本医師を排除しようとしているのである。

2015年におこった患者モルモット事件

泌尿器科の教授らが、岡本医師とはまったく別に「泌尿器科独自の小線源治療」を計画。本来は、岡本医師が担当すべき患者ら23人を、その泌尿器科に誘導した。が、岡本医師は“素人”による手術を実施寸前で止めた。
 
泌尿器科の計画は学長命令で中止になり、岡本医師が23人を引き受けた。そして診察した結果、そもそも小線源治療の適応がない患者や、術前の不要な医療処置で小線源だけの単独治療ができなくなった患者の存在が判明した。被害患者らは病院に謝罪を求めた。
 
追い詰められた病院は2019年末で岡本医師による講座と外来の閉鎖を決定。患者らは年内限りで岡本医師による術後の経過観察が受けられなくなる。また、小線源治療を希望している癌患者の手術スケジュールも組めない状態になっている。岡本医師も年内で解雇され、事件がもみ消されようとしている。
滋賀医科大学医学部付属病院で発覚した患者モルモット未遂事件