小線源単独療法  札幌 末宗

治療を受けるまでの経緯は?

2014年、それまで受診していた泌尿器科でPSA値が4を超えたので、12本の生検を受けましたが、そのときは前立腺炎との診断で済みました。

ところが2016年に再びPSAが4を超え、MRI撮影でガンの疑いが出たため、近くの泌尿器科のある病院に入院して18本の生検を受けました。結果、前立腺ガンと「特定」。その泌尿器科医には「手術でも放射線治療でも選んでください」と言われました。ある意味「突き放されされたようで」戸惑いましたが、すこし勉強して(家族の勧めもあって)小線源放射線治療のできる札幌の病院を受診しました。

最初はよくわからず、担当の先生の説明を聞いて、その病院で小線源治療を受けることになっていたのですが、たまたま義兄が滋賀医科大学の岡本先生に小線源治療を受けており、転院を勧められました。そこで、岡本先生のホームページを訪ねて治療法の詳細を勉強しました。動くこともある立体的な前立腺に、高い精度で線源を配置することの重要性とその難しさ、それをリアルタイム法によって正確に実施する高い技術が必要なことを知りました。

また「非再発率」の重要性を意識するようになりました。私のような中間リスクの場合でも、岡本先生の治療を受けた患者さんは96.9%の高い非再発率であることにびっくりしました。詳細を知るにつれて、私の場合、MRIで見つかったがんの部分と、生検で見つかった最も進んだがん組織の部分がほぼ一致し、しかも前立腺の表面に近い部分にあることが気になってきました。
そこで、再度、札幌の病院の担当の先生に私のそのような懸念を伝え、前立腺の表面に線源を配置できるものか、また直接は聞きにくかったのですが、思いきって非再発率についても聞いてみました。すると、「施設によって90%、80%の場合もある」との一般的な返事でした。

この時、2週間後に小線源治療を受ける予定になっていたため、大変言い出しにくかったのですが、また、岡本先生にも「札幌の先生に迷惑をかけるからそのまま治療を受けなさい」と言われましたが、思いきって滋賀医大への転院を御願いしてみました。するとその札幌の先生は、「放射線治療は一度しか受けられず、一生に一度のことですから、ご希望のようにしてください」(※1)と快く転院の手続きをとってくださいました。

実は、この転院によって、2週間前にすでに米国に発注した小線源が使えなくなります。そのキャンセルは保険が適用されないため実費100万円を超える費用がかかることになります、それも負担するつもりでいましたが、その先生が他の患者さんへの転用を配慮してくださり、負担することなくすみました。両先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 PSA:治療の直前で6.2
 グリソンスコア:3+4
 陽性率: 33%(生検 18本中陽性 6本)
 T分類:T1c
 診断時年齢: 66歳
 触診の結果は?:

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

札幌の担当の先生の説明では、治療後PSAが低下していくが、一過性にPSAが上昇する現象(PSAバウンス)が起こりうるが、最終的には0.2以下に下がることが多い、と説明を受けていました。しかし、2017年2月末に岡本先生の治療を受けた後、PSAは今日まで単調に減少してきており、そのような現象は起きていません。岡本先生は尿道や直腸などへの放射線量を抑えながら、前立腺全体の放射線量を均一に(特に前立腺の表面も含め)高めていくことを大事にされていますが、それが正確に実践されていることが、PSAバウンスを起こさない回復(※2)につながっているのだと感じます。手術中も放射線量の見積もりを何度も口にされていたのが鮮明に記憶に残っています。

滋賀で、治療が打ち切られることについて

とんでもないことだと思います。岡本先生の治療を受けた後、PSAの経過観察は札幌から滋賀医大に送り出していただいた病院の先生に見ていただいているのですが、話を聞くと、その先生も岡本先生の小線源療法を見学に行ったことがあるとのことでした。その先生のお話では「私も極力岡本先生の治療に近づくように努力はしていますが、とても岡本先生のようにはできません」と話されていました。だからこそ深刻なガンを抱えた患者さんが、私のような札幌から、南は沖縄まで、全国から岡本先生を頼ってこられるのだと思います。大事にしなければならない貴重な治療をやめてしまうなんてありえません。滋賀医科大学病院はもっと目を見開いて、将来を見据えた組織運営をしていただきたいと思います。

言い忘れがあればここに・・

もし、私が時を遡れたとしたら、同じ治療を選ぶかと問われたが、
私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。  札幌 末宗

[補足]
※1:札幌の先生は、「放射線治療は一度しか受けられず、一生に一度のことですから、ご希望のようにしてください」
「2週間後に小線源治療を受ける予定」であるのに、転院したいという希望を出すのはいかがなものか、という意見もあるでしょう。しかしながら、治療に納得できないような事実に気づいてしまったが、病院への配慮でそのまま治療を受けることにした場合、その結果が良くなかったら、一生の悔いを残すことになります。
札幌の先生は病院の都合ではなく、きちんと患者優先の医療を実践されている良い先生ですね。

※2:PSAバウンスを起こさない回復
PSAバウンスが起きるかどうかは、個人によって違い、PSAバウンスの起きる原因も、はっきりとはわかっていません。滋賀医大でも多くの方にPSAバウンスが起きています、治療の質には関連はないと思われます。

※ 札幌 末宗 さん回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。